スタートアップの顧問弁護士の選び方

スタートアップは新しいビジネスモデルにチャレンジすることも多いため法的なアドバイスをする顧問弁護士は事業成長に大きな役割を果たします。その一方で、会社の経営経験が豊富なあるような人を除き、顧問弁護士をどのように選べば良いのかわからないのが実情です。そこで、本記事では、スタートアップが顧問弁護士を選ぶ際のポイントを解説しています。

1 業界特有の知識把握


自社が属する業界やビジネスモデルに関する深い理解を持っていることが重要です。各業界固有の言葉遣いがあるため、そういった言葉に慣れている方がコミュニケーションが取りやすいためです。また、特に医療、金融、物流、製造業など業界ごとに特有の法的規制が存在します。そのため、業界事情に明るい弁護士を選ぶことで効率的なサポートが期待できます。

2 スタートアップのサポート経験

スタートアップ企業特有の法的ニーズや課題に対処できる経験がある弁護士を選ぶと良いでしょう。資金調達、契約交渉、知的財産権の保護、雇用と業務委託の使い分け、ビジネスモデルのピボットなど、スタートアップが直面する様々な問題に対応できる弁護士が理想的です。

3 コミュニケーション能力

顧問弁護士とのコミュニケーションが円滑であることは非常に重要です。あなたのビジョンやニーズを理解し、分かりやすく説明してくれる弁護士を選びましょう。また、レスポンスの速さや言葉遣いなど、ストレスを感じにくい人を選ぶことが重要です。

4 料金体系

顧問弁護士の料金体系は事務所や弁護士毎によって大きく異なります。数倍単位で単価が違うことも珍しくありません。自社の予算や相談ニーズの量や質を加味して自社にフィットする弁護士を選びましょう。

5 評判と実績


弁護士の評判や過去の実績をチェックすることも重要です。クライアントのレビュー、成功事例などを確認し、信頼性と実力を見極めましょう。もっとも、弁護士はクライアントとの秘密保持の関係で公開できる実績に限りがあることもあります。面談の際に固有名を伏せた状態で話せる範囲で実績を聞いてみるのも良いでしょう。

6 他士業との連携

弁護士が持っている他士業とのネットワークの確認も行いましょう。特に、スタートアップの資金調達や株式譲渡、組織再編などでは税理士、公認会計士、司法書士等との連携が必要不可欠です。弁護士側にそういったネットワークがあるか、またはスタートアップがアレンジした他士業と円滑にコミュニケーションが出来そうかも確認しましょう。

7 カルチャーフィット

企業文化や価値観に合った弁護士を選ぶことも大切です。あなたのビジネススタイルや企業文化に共感し、理解してくれる弁護士であれば、よりスムーズに協力関係を築けるでしょう。従業員の採用と近しい側面があるので、出来る限り最終的には経営陣との顔合わせを行い、一緒に事業を創り上げるフィーリングを得られるか確認しましょう。